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引越しの夢

先週の春風亭正太郎さんの独演会で最初に演じられた

のが「引越しの夢」。上方では「口入屋」

この噺、好きな演目の一つで一度はやってみたい噺です。

正太郎さんはなんとこの噺15分くらいでやっていました。

この編集の仕方に驚きましたね。

上方の「口入屋」。米朝師匠の音ではマクラ入れて約40分。

ネタだけでも十分30分は超えます。

この噺を場面で区切ると

①口入屋でのやりとり→そこに布屋の丁稚が入ってきて
美人のおなごし(女中)の要求があります。
そして、美人のおなごしさんを連れて家にもどる

②布屋での丁稚と番頭とのやりとりの後、
番頭が女中と面接する。(いわゆるどがちゃが、どがちゃが)

③御寮さんと女中との面談のシーン

④番頭の所に丁稚が報告にいき、番頭が店を早じまいにする

⑤寝床での男奉公人のやりとり

⑥夜這いに行くシーン
でしょうか。

なにが違うのか江戸の「引越しの夢」志ん朝師匠の映像を見ると

(おそらくTBSの落語研究会か?)マクラ入れて27分。

ネタだけでもおおよそ23、4分ですかね。

②からスタートしますが、③の場面で上方落語のような

女中の技量を披露する所はないですね。

軽めに④へ、そして⑤、⑥と行きますが

⑥の夜這いに行く所の描写が興味深い。

上方の場合、確か階段を上って女中のいる2階に行こうとして

2階から蓋をされて行けない→膳棚(江戸では吊戸棚という言い方)

を使って木戸棚に上り2階へ侵入する。

ここを上方では地の喋りで説明をするのです。

ところが、志ん朝師匠は、番頭の一人喋り。

扉が開かないのでへっついさんに足を掛けて

吊り棚を使って2階へ登ろうとします。

その描写が暗闇の中で眼をならしていく様子を割とゆっくりと

一人喋りで表現する。

そして、最後の膳棚(吊り戸棚)を抱えるシーンですが、

志ん朝師匠の映像には井戸にはまる人は出ず、

番頭ときゅうしち2名しか出てきません。

同じ噺なのに15分から35分との違い。

15分でもしっかり噺のエッセンスを伝える正太郎さん

やはりプロは違いますね。

私もようやく編集の方法で時間を調整する事を

考え出しましたが、これなかなか難しいですね。

これは編集とは違いますが、サゲ。

志ん朝師匠は御寮さんが出てきて

「番頭さんなにをしているのかい?」

番頭「夢を見ていました」

御寮さん「なんの夢をみていたのかい?」

番頭「引越しの夢を見ていました」

へーいきなり「引越しの夢を見ていました」ではないのか。

志ん朝師匠の解釈があるのでしょうね。

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2017年09月02日 23:14に投稿されたエントリーのページです。

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