寿命
何にもしたくなくても、ついに我が社の決算の時期がきてしまった。
毎年毎年嫌になる。
それが仕事なんだから、辛抱しなきゃな、、
過ごしやすいいい時期なのに休みなし。
職場と家の往復だけの生活。
こうやって、簡単に歳をとっていくのだな。
先日、友人と飲みに行った。
勘米さんもご存知、めでた屋さん。
一年以上会ってなかった友人と二人で、しみじみ語り合う。
友人のお母さんが亡くなった。
55歳という若さで。
ガンだった。
ガンと言われたのは二年前。
それから手術など、手を施したが転移していた。
お母さんとは離れて暮らしていたので、最期には間に合わなかった。
辛かっただろう。
でも、彼女は明るく、いつも通り笑い、バカみたいな話をする。
私にこの強さはあるだろうか。
いや、ないな。
無理をしている、痛々しいという感じじゃなく、もう二年間の闘病生活である程度の覚悟が出来たんだろう。
吹っ切れた、本当に解放されたと言ってた。
そうか、うんうん。
彼女と私は、奥の席に座っていらっしゃる常連さんからお酒をおごっていただき、彼女のお母さんのご冥福を祈りながら飲む。
お母さん、パワフルな人だった。
高校生の頃、彼女の家によく遊びに行って話をしてた。
太く短く、と言うのも変かもしれないけど、全速力で人生を駆け抜けた人だった。
元気に見えたけど、大変だったんだろうな…。
彼女はまたたくましくなるだろう。
笑顔で彼女と別れた後、こう思った、
私たちにもあまり時間はないんだろうな、人生なんてあっと言う間なんだろうな。